本阿弥光悦
東京国立博物館で開催されている「本阿弥光悦の大宇宙」展を観てきました。
書・陶芸をはじめ色々なジャンルでその才能を遺憾なく発揮した本阿弥光悦ですが、数多い展示中で最も興味をそそられたのは扁額です。額縁業界に身を置いていますが、扁額をいう言葉自体を使う機会はほとんどありません。実際、扁額は神社仏閣で使われる看板や表札のようなものなので、我々が扱う額縁とは少し趣旨が異なります。
とはいえ、作品を彩る枠ということでは一緒です。
中の作品と額が一体となり、一つの作品が完成するところも一緒です。
特に写真左に写っている小さな作品は、文字が浮き出ているように見えますが実は逆で、文字部分が掘られていて、へこんでいます。文字と額縁の内側を縁取っているため、掘られた箇所が逆に浮いてみえます。昔からこのような技法を用いられていることに驚きを感じるとともに、レーザー加工機もない昔、人間の手で作り上げられた技術力に感服します。
ちなみに、館内は撮影禁止のため、上記写真は公式に発表されている画像を用いています。