株式会社アルナ aluna

リベラルアーツ

最近「リベラルアーツ」という言葉をよく耳にします。
大学でも「リベラルアーツ」を教える大学が増えているようです。

「リベラルアーツ」は日本語に直すと「教養教育」がいちばん近いようですが、実際の内容はちょっと違うようです。大学における「教養教育」という言葉には「専門教育」の前に学習する一段低い教育といった意味があるようですが、「リベラルアーツ」は『幅広い分野を学ぶ』意味あいが強いようです。

最近まで多くの大学は「役に立つ人材」を育てようということで、早くから専門教育を行い、その専門のスペシャリストを育てようという傾向がありました。しかしそうなると自分の専門のことは詳しいけれど、それ以外のことはあまり知らないという人たちが生みだされてしまいます。

最近の大学入試は科目数がとても少なくなっている傾向もあり、受験生はどうしても入試に出る科目を集中して勉強します。例えば理工系では「数学と物理と化学には詳しいけれど、それ以外の分野はほとんど知らない」といった学生が、文系でも「法律や経済は知っているけど、科学技術も文学も知らない」といった学生が増えてしまいます。

でもそうやって一つの分野のことしか知らない人が社会に出ていった場合、その人は社会のいろいろな問題に対処することができるでしょうか? 現代社会の問題はさまざまな要因が絡まり合っています。例えば原発の問題を対処するにも理科系と文系の両方の知識が必要です。高齢化の問題に向き合うにも、心理、経済、社会福祉などのさまざまな分野の知識が必要になるでしょう。専門教育だけを受けてきた人が「役に立つ」とは限らないのです。むしろ幅広い「教養」を持っている人が必要とされているのが現代なのです。

額装も一緒で、美術に詳しいあるいはデザインに優れているだけでは、良い提案は出来ません。先方の予算、納期、どのようなシチュエーションで使うかなど様々な要素が組み合わせ、その中で最も最適と思われる提案をしなければ、満足した結果は得られません。

新聞記事に、公園の遊具を用いた例が掲載されていました。
公園は皆が集まるところなので、ベンチが置いてあったりすべり台で子供が遊んだりします。
2000年ごろからホームレス対策で寝転がれないベンチが増えたり、すべり台も時間制限のシールを貼るケースが増えたようです。ただ、このようなケースは人と人とを分断するきっかけにもなります。

そこで、色々な角度から座れるベンチがデザインされ、すべり台も360度どこからでも登れてすべれるデザインが考案されました。

時代の流れに沿って、様々なものが身近でも変化しています。
我々もその変化にしっかり対応していきたいと思います。